駅舎でのポスター掲示で地域の健康づくりを応援!
2021.12.07 vol.13在学生の活動
加古川市の「協働のまちづくり推進事業」スタート応援型(学生枠)
「健康経営」とは、健康問題を個人でなく企業や自治体などの組織の経営的な課題と捉え、健康づくりをみんなで実践することが組織の利益につながるという考え方です。健康経営の実践として、健康スポーツ指導者をめざす学生たちが、加古川市の「協働のまちづくり推進事業」で市民の健康づくりに取り組みました。
楽しさがあって、話題になるポスターを
2020年度Ⅱ期(後期)、朽木教授と学生たちは、“健康づくりナッジ”の理論を用いて行動変容をそっと後押しするような健康啓発ポスターを制作しました。伝えたいメッセージは「エレベーター、エスカレーターがあっても階段を使うことが、健康の意識向上になる」。10名の学生たちはアイディアを出し合い、2班で2枚ずつの計4作品のポスターを完成させました。
上条さんの属する「健康意識向上チーム」は、階段上りのタイムを測る『16段チャレンジ』をテーマにポスターを制作。「これは、ゲーム感覚で階段を上ってほしいという思いから作りました。体力チェックの結果がすぐにわかるようにして、『やってみようかな』という気持ちになることがねらいです」(上条さん)。もう1枚は、月曜は呼吸、火曜は背すじなど、曜日ごとに体の一箇所に意識を向けながら階段を上るという「1日1意識!」ポスターでした。
一方、前田さんたち「自己管理能力向上チーム」は“新しい日常”をキーワードにしたポスターを作りました。「新型コロナウィルス感染拡大によって生活が大きく変化しています。身体活動不足が指摘されるなかで少しでも健康につながる新しい生活習慣として、階段上りが定着できるように工夫しました」(前田さん)。ポスターは、1日100段分の階段上りを約3カ月続けようという「100段100日」編と、コロナ禍だからこそ階段を使おうと呼びかける「Go to 階段」編。こちらは、Go toキャンペーンの話題に掛けて人々の印象に残ることをねらいました。
ポスターの効果を検証
でき上がったポスターは学内およびJR東加古川駅の階段に掲示し、「学内では、他学科の先生からこれを見たら階段を使わなきゃね、と声をかけていただきました」(上条さん)。「駅では、私たちが貼る作業をしているときにも『いい試みですね』と評価してくださる人がいました」(前田さん)。
さらにポスターを貼ったことで、階段を上る人は増えたかを検証。調査の結果、前田さんの班では「明らかに増えた」、上条さんの班では「さほど変化がなかったけれど、多くの人が目を向けてくれていました」という結果でした。調査期間があまり取れなかったことが課題として残りました。
学内のポスター掲示は、今回で3年目。駅での掲示は、上条さんが加古川市にプレゼンテーションを行ない、2021年度も事業が継続できることが決まりました。「私たちは先輩のプレゼンでこの事業ができるようになりました。そして次の学年に引き継がれます。ますますパワーアップした取り組みを期待します」(上条さん)。
実社会に大学での学びをアウトプット
朽木教授は、より多くの人が健康づくりを実践できるようなアイディアを、学生にはチームで企画・提案させ、議論してまとめることを求めています。「実社会ではチームで仕事をすることが多いので、ここで経験したことを活かせる場面が、これからたくさんあると思います」と朽木教授。学生たちも、自分たちの考えを地域社会にアウトプットできる素晴らしい体験だったと満足そうでした。
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朽木 勤 教授
健康科学部 学部長 健康システム学科
【専門】健康科学、運動処方
上条 亮明
健康科学部 健康システム学科4年生
兵庫県立淡路高等学校出身
前田 久瑠実
健康科学部 健康システム学科4年生
県立姫路商業高等学校出身