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未来をしっかりと見据えた学園づくり、人づくり

2023.07.25 教育最新号

学園創立100周年という大きな節目に学園理事長という大役を任された河野真兵庫大学学長。少子化、グローバル化など社会環境が大きく動く中で、新しい学園づくりについて語ります。

睦学園グランドデザイン2030

教育イメージ親子

令和4年11月より睦学園の理事長に就任いたしました。そして本年は学園創立100周年という大きな節目を迎え、これまで以上に責任の重さを感じています。100周年を機にこれから学園はどうあるべきか、過去、現在、未来に思いを馳せつつ考えを巡らせる毎日です。
若年人口は、2030年には今より減少しています。高校、中学から、コロナ禍による出生数減の影響をこれから強く受ける幼稚園まで、人口減の波は確実に訪れます。私たちは来るべき日に備え、対応できる体制を整えねばなりません。そのような現実を踏まえ、今回、睦学園グランドデザイン2030を策定しました。スローガンは「和でつながり、個を伸ばす」。学園のベースにある人間力をもとに、先進の教育システムを駆使し、一人一人の個性を重視した教育を展開していこうという思いをこめています。

5つの重要テーマと大学新学部創設

また、2030年に達成すべき学園及び各校園の重要テーマを「人間教育 教育研究 国際化推進 社会連携 経営基盤」の5つの領域にまとめました。これらの達成を2030年に向けて図っていきます。
そのため、学園内の各学校の連携をさらに強化し、例えば附属幼稚園において、大学の専門研究者によるサポートにより先進的な幼児教育の充実を図るなど、今までにない取り組みを積極的に導入していきます。
教育学部の新設につきましては、近隣の他大学に歴史ある教育学部がいくつもあるなか、今、教育学部を創設するのは、いわば最後方に位置することになるという見方もあります。我々はしかし、最後発だからこそ最先端の学部にしたいのです。新学部ではICTを含め、現場で求められる広範な能力、実践力を育み、子供たち一人一人の実情、ニーズに即した「個を見る指導」ができる人材を育てていきます。さらに教育学部での研究成果を学園の中学・高校に取り入れ、学園全体の教育力のアップにつなげる考えです。

睦人材教育メソッド

睦学園の源は、仏教の日曜学校です。100年前、地元の子どもと都会から来た子ども、両方を受け入れてスタートしました。また、当初から女子の職業教育に力を入れました。当時、社会的に厳しい立場に置かれていた人々が強く生きていくことをサポートする学校でした。学園の強み、特徴は、つねに「寄り添う教育」を重視してきたことです。
これまでの歩みを振り返りながらも、学園では、「睦人材教育メソッド」と称し新たな人材育成に関する概念化を進め、具体的なプログラムの実施を検討しています。先進的な手法を通じて応用力、実践力を向上させるとともに、建学の精神の浸透・実践を通じて人間力を高めるという考え方に基づいた教育を行い、高い技能と温かくしなやかなこころをもった、睦学園ならではの人材を育んでいきたいと考えています。
今や、多くの知識や技能は機械に置き換えられる時代になりました。しかし、睦学園はこれからも、機械に置き換えることのできないきめ細やかな教育、指導ができると確信しています。そこに集う人々を優しく包み、愛おしみ、成長する姿をサポートする気持ちは、学園全体に息づいています。

千年古びることのない「和」のこころ

建学の精神である「和」は今盛んに論議されているSDGsの考え方ととても近いと思っています。誰一人取り残さない社会の実現。これは「和」の精神と親和性が高く、今の社会に絶対に大切な考え方です。私は兵庫大学の学生に「あなたたちは各専門分野でSDGsの考えを支える人、牽引する人になる。それは、これからの社会で強く求められる人だという事ですよ」と言っています。睦学園の「和」のこころは、これからも輝きを放ち続けるでしょう。聖徳太子は1000年以上前の人ですが、大切なことに変わりはないと確信しています。

  • 学園内連携
  • その他
河野 真 理事長

河野 真 理事長

兵庫大学・兵庫大学短期大学部 学長を兼任。
令和4年11月1日より学校法人睦学園 理事長就任

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