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2023.07.25 グローバル医療・福祉最新号

2022年12月3日、学生2名と兵庫大・桜谷福祉会から職員4名、合計6名が日本を出発し、ドイツ研修の旅に出かけました。9日にドイツを出立するまでの3日間の活動期間中に、一行はケルン老年医学センターや児童養護施設などを見学。また連携協定大学であるカトリック大学NRWの歓迎会にも参加しました。参加した学生2人を交え、渡航の感想や研修で得たもの、今後に向けての思いなどを聞きました。

海外派遣の必要性

研究を通じて新たな地域貢献を

田端 本学はドイツにあるカトリック大学NRWと連携協定を結んでおり、ドイツからは毎年学生が来学しています。しかし本学から学生がドイツに行く機会は今までほとんどなかったので、私たちは学生の海外派遣を進める必要性を強く感じていました。

絹田 桜谷福祉会は兵庫大学と提携を結び、連携授業を実施しています。また、奨学金制度を通じて学生を支援し、定期的に大学と話し合いを続けるなど、ともに学ぶという姿勢を重視しています。今回ドイツ研修についてのお話を伺い、見聞を広げる良い機会と思ったので、職員を派遣することにしました。

田端 今回研修に参加した学生、髙木さん・高田さんは桜谷福祉会の奨学生であり、この研修が実現できたのも連携の賜物と感謝しています。

研修前にどんな準備をしましたか?

高田 ドイツ語の日常会話を学びました。また髙木さんとともに、今回行く街と見学する施設について、さらに福祉に関する日本とドイツの事情について学習しました。

髙木 訪問する施設などへのお土産も2人で作りました。用意したのは、折り紙で飾ったうちわ、毛筆で書いた日本語の色紙などです。

実際にドイツに行って体験したこと

実際にドイツに行って体験したこと

高田 ドイツ人って温かい人々だなというのが最初の印象です。ちょうどクリスマスシーズンだったので、街の賑わいの中で人々の温かみ、優しさを直に感じることができました。

髙木 病院付属のお年寄りのための施設で「光療法」を見学しました。認知症の人は影があると不安を感じるので、光量を調節して1日の流れを感じやすくしたり、季節の流れを感じる映像を活用したりするなど、開放的な雰囲気の中で光を活用した療法に取り組んでいました。

実際にドイツに行って体験したこと

高田 児童養護施設では、挑戦する気持ちを大切にしていることがわかりました。過去の経験から人間不信になっている子どもには、馬やラクダ、ラバなど、動物との触れ合いを通じた癒やしを重視していました。一人ひとりの子どもにとって何が大事かを考え、支援する体制を整えているなと思いました。

兼本 また、施設の中に学校があり、プールやサッカー場もあって、いくつもチームを作ってゲームをしていました。いろいろな子が一つの施設で育っていて、どんな子も育っていけるように、一人一人の達成感を大事にしているという印象をもちました。

実際にドイツに行って体験したこと

高田 研修前は、コロナ禍でいろいろな制限がかかっていたので「私は何のために福祉の勉強をしているのだろう?」と学びへの意欲が少し下がっていました。しかし今回のドイツでの体験は、自分の進みたい道を見つめ直すきっかけになったと思います。改めて福祉の勉強をしたくなりました。

髙木 施設のスタッフや協定大学の先生方のお話を聞いて、自分の知識の未熟さ、視野の狭さに気づきました。また、人権ということを考え直すきっかけにもなりました。自分が担当している子どもを見守るだけでは不十分で、ご家族やその子の友達など、広い視野をもって多くの人々のことを見なければいけないのですね。もっと勉強しなくてはと思いました。

兼本 2人の学生さんから本気で社会福祉を学びたいという意欲を感じ、刺激を受けました。社会人の先輩として「もっと成長したい、自分の力を発揮したい」と思う若い人々をしっかりサポートせねばと気持ちを新たにしました。

施設の方へのお土産を渡しました

今後に向けて

今後に向けて

田端 国際経験は自分を変えるきっかけになることが多いのですが、素晴らしいことです。学生の海外経験を増やす仕組みづくりをもっと整えねばと痛感します。中長期の派遣をもっと多くし、中身ももっと充実させていきたいです。

絹田 3月に研修参加者の報告会を実施しました。2人から話を聞いて、一人一人を大切にするという考え方の重要性を私も改めて痛感しました。そのために何が必要か、そのベースになる精神は何だろうと考えるに、それは結局、相手を信じる気持ちではないでしょうか。このことは、働く仲間の間でも同じことです。私は福祉の世界で働く先輩として、皆さんを信じ、支えていきたいと思います。

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兼本 貴美

兼本 貴美

社会福祉法人桜谷福祉会
尼崎さくら保育園 園長

絹田 美由紀

絹田 美由紀

社会福祉法人桜谷福祉会
保育部門 統括園長

高田 涼

高田 涼

社会福祉学科3年生
(兵庫県立日高等学校出身)

髙木 一加

髙木 一加

社会福祉学科3年生
(島根・出雲西高等学校出身)

田端 和彦

田端 和彦

兵庫大学副学長(研究、社会連携担当)教授
専門:地域政策

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