兵庫大学の母体である睦学園誕生100周年を機に2023年4月、本学は教育学部教育学科を新設します。高度情報化、国際化など教育現場を取り巻く環境が激変する一方で、人口減少や少子高齢化もとどまるところを知りません。混迷の時代を切り開くために、地域社会は、教育の現場は「先生たち」に何を求めるのか。加古川市教育委員会教育長を務める小南克己氏ならびに、子どもたちの創造性や起業家精神を育成する取り組みに携わる湯川カナ氏が、本学学長とともに、今まさに必要とされる教育者の在り方、大学が進めるべき教育人材の育成について語り合いました。
目次
受け継がれる教育者育成の歴史と伝統
河野子どもたちの健やかな成長を育む場として睦学園がスタートしたのが1923年。その思いは戦後になって睦学園女子短期大学、さらに兵庫女子短期大学(現兵庫大学短期大学部)へと引き継がれ、学園は保育・初等教育をはじめとする多様な専門家育成に力を注ぐようになりました。その後、長い伝統によって培われた独自の教育体系は兵庫大学にも承継され、ついに学園創設100周年となる2023年、幼稚園・小学校教員養成課程を備えた教育学部教育学科(仮称・設置届出中)の開設に至りました。
湯川コロナ禍の長期化や国際情勢の悪化など先が見えない時代にあって、兵庫大学はどのようなお考えで教育学部を開設されるのですか。
河野ご承知のように、教育現場を取り巻く環境が複雑さを増すなか、少子化の影響もあって、教員志願者は近年減少傾向が続いています。しかし、こんな時代であるからこそ本学が長い時間をかけて積み上げてきた「教育者を養成する力」を発揮し、一人ひとりの学生にしっかりと寄り添いながら、現場のさまざまな課題に対応できる人材をじっくり育てていきたいと考えています。
小南これは加古川市だけではなく、全国で直面している深刻な問題なのですが、団塊世代の教員が大量に退職した後、十分に教員を養成・採用してこなかったため、今や教員の絶対数が足りないという事態に陥っています。新年度クラス担任を受け持つ教員確保がギリギリで、年度途中に教員の欠員が生じた際、その代替となる講師の補充は極めて難しいというのが現実です。このような綱渡りの状況を解決するために、優秀な教育人材の育成は急務の課題です。幼児教育・保育の分野において長い歴史を持つ貴学が、小学校教員養成課程を備えた学部の開設に着 手されるということは誠に喜ばしいことだと心から思っています。
湯川確かに、今、教育の現場は大変な事態に陥っていると思います。学校が子どもたちのためにしなければいけないことが、今世紀になって本当に増えています。問題が山積する中、スクールカウンセラーや保健室の先生なども含めて、一人ひとりの生徒を大勢の大人たちが守り、育てていかねばならない時代になったことを痛感します。子どもたちは、さまざまな悩みを受け止め、本気で動いてくれる大人の存在をつねに待望しています。教育学部には、そういう信頼できる大人をたくさん育ててほしいですね。その信頼こそが学校と子どもたちを結びつけるのですから。
「個別指導計画が作れる先生」を育てる
河野本学は多くの学部学科で、対人支援、援助の専門家を目指す教育プログラムが充実していることが大きな特徴です。新たに創設される教育学部もその特徴をしっかりと受け継ぎ、現場の個々のニーズに臨機応変に対応できる力の獲得をめざしていきます。具体的には欧州、特にフィンランドなどの北欧で定着している「個別指導計画を作れる先生」の育成を進め、生徒、園児一人ひとりの潜在的な能力を引き出す力を身につけます。生徒や園児との触れあいを通してその特性を把握するとともに、学びの最適化をめざして客観的データに基づく指導もできるよう、デジタルな手法も併せて身につけてもらいたいと考えています。今後の生徒指導にはICT活用能力が必須です。どのような事象が子どもにどう影響するのかをしっかりと観察し、判断する能力を身につけた上で、その要因をデータ分析し、ICTを子どもとのコミュニケーションを深める手段として生かしていくべきだと思います。
小南今、公立学校では個別最適化された教育の実現に取り組んでいます。特別支援学校では、以前から個別最適化という考え方を進めてきました。同じ教室で生徒たちに授業をしても、生徒をマスでとらえる画一的な授業になってはいけない。子どもたちが将来、社会のさまざまな場面において、一人ひとりが異なる役割をしっかりと担うことができるように、学校にあっても、生徒各人の特性を大切にしないといけないのです。
加古川市では、例えば「協同的探究学習」という取り組みを進めています。昔は算数・数学の公式や計算式の答えを出す手順は、先生が正解を示して教え、子どもたちはそれを覚えていました。しかし、覚えさせることだけが教育ではないという考えから、現在では生徒が自分で公式を作り出す、手順を考えるなど、自分なりの試行錯誤で「プロセスを作れる人」になるための教育を進めています。先生に教わるのではなく、自分で考え、自分なりの答えを生み出す教育です。自分で考え出したことは、教室で発表し、友人たちの意見も取り入れてフィードバックします。さらに、他の人の発表を聞いて、情報共有に努める。時には学校を出て地域でのフィールドワークにも挑戦します。
一方、加古川市では、人権教育にも力を入れています。互いの生命、心と体の自由を尊重する人権感覚を身につける機会を提示し、差別やいじめの問題を自分のこととして受け止め、自分の行動を虚心に振り返ることができる力を養います。正直なところ、この取り組みはまだまだ課題は多いのですが、たゆむことなく、じっくり時間をかけて着実に進めていきたいと考えています。
湯川私はかつてスペインに住み、子どもを育てていた時期があります。スペインの大人の方々を観察していると、子供を褒める時には、何か優れたことができたから褒めるのではなく、その子がここにいること自体が素晴らしいと感じ、愛情を注ぎます。英語で言うと「TO
DO(何をするか)」ではなく、「TO
BE(そこに存在すること)」が評価の対象となるのです。すると人は、子どものうちから自己肯定感が高くなります。また「子どもは家族が育てるのではなく、社会が育てるもの」という意識が強く、そのため幼い頃から社会との関わりを強くもつようになります。したがって、みんなと助け合うことの大切さも自ずと身につきます。スペインから日本に戻ってきて、子育て中のご家族や子どもたちと話し合ううちに感じたのは「大人も子どもも自己肯定感が低いなあ」「社会とつながる機会が少ないなあ」ということでした。
この状況をなんとかしたいという思いから、子育て中のお母さんも、子どもたちも楽しく社会参画できる場が作りたいと、社会的な課題の解決に取り組める起業家を育てる「ソーシャルアントレプレナーシップ育成活動」を行うようになりました。今では中高生たちの起業支援事業を行っています。これからの世界では、個性とアイデアを出し合って今までにないビジネスを作っていくことで、自分の夢を実現する力が求められます。
ところが、知り合った日本の中高生に「みんなの夢を叶える手伝いをするから言ってみて」と声をかけても、「今までずっと家でも学校でも、『夢みたいなこと言うな』と言われてきたんだから」という悲しい言葉が返ってきました。
ビジネスについて学ぶにも、まずは夢見ることを妨げない教育を実現することが大前提だと感じます。そういう意味で、現代ビジネス学部を持っている兵庫大学が、教育学部を新設することは有意義であると思います。
河野本学では現場で能力を発揮できるよう、つねに実践的な学びを進めていますが、特に現代ビジネス学部においてはキャンパスを出て、地域社会の中で自分なりに課題を発見し、解決をめざすPBL学習を重視しています。課題解決に絶対的な正解はありません。自分が「これだ!」と思った解決策を展開してみて、うまくいかないことも多々あるでしょう。しかし、学生時代はいくら失敗してもいいのです。その積み重ねが経験となり、社会に出てから本当に役に立ちます。失敗することが自分を大きく成長させるのです。この失敗を大歓迎するという方針は教育学部でも同様です。徹底した現場主義を進めていきます。早い段階から教育の現場でお手伝いさせて頂く経験を重ねて、目の前にいる生徒がいったい何を求めているかを突き止める感覚を身につけてほしいと考えています。
湯川今の学校は、効率化を図るため、どうしても正解を教える場になりがちです。学長のおっしゃるように「失敗できる場」を設けることはとても大切だと私も思っています。
地域、社会の中で実践力を身につける
河野本学で学ぶ学生は、誰かの役に立ちたいという真摯な思いが強く、ボランティア活動に携わりたいという強い希望を持っています。しかしながら、昨今のコロナ禍の下、そういった活動ができない状態がここ数年にわたり続いてきました。今後、状況が許されるならば、正課外の取り組みとしてボランティア活動に参加する機会を積極的に増やしていきたいと考えます。
小南確かに、座学ばかりではなく、キャンパスの外に出て現場でチャレンジすることは、学生にとって大事ですね。加古川市では、中学生のおよそ5%が不登校生徒という実情があります。そこで校内に「学校に来づらい」と思う子どもたちのために、別室を設け、子どもたちの居場所づくりに努めています。できるならば、そこに学生サポーターに来てもらい、子どもたちと接する機会をもってほしいですね。もちろん、時には学生だけでは対処するのが難しい問題もあるでしょうから、その場合は現役の先生がサポートします。すでにこの取り組みについては、貴学と加古川市との間で話し合いが続いています。
また、学生のボランティア活動だけでなく、貴学の教育に関する数々の研究成果も、加古川市の教員の充実に向けてご提供いただきたいと切に願います。なにとぞ、ご協力ください。
河野兵庫大学は1995年に地域の方々のご支援のもとに誕生した大学です。開学当初から地域連携、地域貢献は本学の重要課題です。この課題により組織的、効果的に対応すべく、地域で活躍するさまざまな組織や人々にご協力いただき、「地域創生人材育成プラットフォーム」という仕組みを創設し、教育、福祉、医療、ビジネスなどさまざまな分野での取り組みを充実させていきます。これからも、本学の特性を生かしつつ、産官学連携を図りながら、より効果的に地域の課題解決を行っていきたいと考えています。
一緒に問いを探してくれる「おねえちゃんおにいちゃん先生」
河野教育学部の学生が、キャンパスを出て地域の教育現場に赴いた当初は、まだまだ経験不足でしょう。しかし、現場では一緒に試行錯誤してくれる「おねえちゃんおにいちゃん先生」は子どもにとってうれしい存在になっていくのではと思います。
湯川子どもたちにとっては、大人の人が対等に接してくれるのはとても嬉しいことです。子どもたちの問いを真摯に共有してくれる学生さんがいるということは、いいことだと思います。
河野本来、先生って「一緒に笑って泣いてくれる人」なのではないでしょうか。
湯川「二十四の瞳」の世界みたいですね。
河野それが教育の原点ですよ。
小南信頼関係が大事ですね。ステレオタイプの教育では、信頼関係は育めないのです。
湯川時代の変化が猛スピードで進む中、子どもたちは自分で先を切り開く力を持たないといけないですよね。となると、先生は指導するのではなく、子どもに寄り添いながら、リアルな社会とつなぎ実践を支援するコーディネーターであるべきと思います。
小南教員は子どもたちみんなの自由闊達な意見を見守り、助言し、育てる人にならなくてはいけません。さらなる個別最適化の教育の充実に向け、地域や兵庫大学の皆さんのご協力をいただきながら、取り組んでいかねばなりませんね。
湯川大人が持っているさまざまなリテラシーも、さまざまな立場の大人が持っている多様なリテラシーを子どもたちに伝える機会も欲しいですね。また、子どもたちには一回失敗するとアウトではなく、やりなおしOKだと感じてほしいですね。時には思い通りにならないこともあるけれど、それこそがチャンスなのだと、ポジティブに受け止める柔軟さを身につけることが学び続けるために大切です。
小南教員も、柔軟さが大切です。教員という仕事では、採用一年目からクラス担任を任され、いじめや事故など厳しい問題に直面します。そういう時、くじけずに適切に対応できるよう、学生時代から経験を積んでほしいと感じています。教育者には、「折れない心をもってほしい」と切に言いたいです。
河野本当に失敗は大歓迎なのです。うちの大学で、たくさん失敗して、たくさんのことを経験できたと自信を持って卒業してほしい。高校時代は、必ずしも勉強好きでなかった人もいる。そういう人も、最後には笑顔で「本気で頑張れた、誰よりもすばらしい学生生活が送れた」と勝者の気持ちで巣立たせてあげたいのです。
個別教育を支援する取り組み
河野個別教育計画づくりということでは、こども福祉学科で、兵庫大学附属の加古川幼稚園、須磨幼稚園と連携して個別教育計画に基づく教育に取り組んでいます。保護者のみなさんにアンケートをとり、膨大なデータを集めました。そこから得られたみなさんの考えをいくつかのパターンに分類し、類型化を進めていきます。これは適切かつ効果的な指導につながるのではないかと考えます。保護者から見た子どもの特性に即した教育を実現していきたい。うまくいけば幼稚園だけでなく教育学部でも、小学校レベルでの個別教育サポートのしくみができるのではないかと期待しています。
小南一人ひとりの成長を後押しできる仕組みが整えば、素晴らしいですね。
湯川幼稚園の多様な教育に比べると、一方で公立小学校の教育は硬直していますね。
小南同じ教室の中で、多くの子どもたちに「人と同じ考え」を持たせるなどということは、実際ナンセンスだと思います。一人ひとりが頭をフルに回転させる時間を持たせてあげたい。先生の話を聞いているだけではやはり苦痛でしょうから。
河野興味のあることに熱意を持って取り組む有効な時間を増やしていかないといけないでしょう。そのようなワクワクした経験を子どもたちができるように、学校の先生と一緒に加古川モデルを作っていきたいですね。
小南まさにおっしゃる通りです。オリジナリティのある授業を作っていきたいですね。
河野インターネットが普及し、若い人たち同士、直に人と関係することが希薄になっている昨今ですが、やはり人的交流の基本は直接会って、face to faceで進めていくことだと考えています。
小南さまざまな経験をお持ちの地域の方々に積極的に教育に参加してもらうことは、実にいいことです。子どもたちが地域の大人と触れ合ったり、特色のある産業について調べたりする機会もどんどん増やしたいですね。
湯川播州には地域に誇りを持っている人が多いですね。ここにはたくさんの「学びの場」があります。
小南生徒・児童・幼児だけでなく、もちろん大学生も地域全体で大切に育てていかないといけないですね。地域社会との豊かな交流経験をもった学生のみなさんには、地域の学校の中で大いに活躍していただきたいですね。そのためには、学校サイドが画一的な仕組みのままではいけませんね。学校サイドも変わっていかねばなりません。
まず大人から夢を語り続けよう
小南職は本当にやりがいがある仕事です。子どもに影響を与え、子どもの心を豊かに育むことができる大切な仕事です。教育学部に入学される学生さんには、教育の仕事の素晴らしさ、重要さをじっくりと受け止めて大学で幅広く学んでほしいですね。
湯川学長の語る大学像は、夢に溢れていますね。夢のようなこと、実現が難しいことを大人が率先して考え、語ることでこそ、子どもが希望を持ち、それを見習い、社会が変わっていくかもしれないですね。ですから、どうかこれからも夢を語り続け、実現していってください。
河野は実現不可能な夢を追いかけているとは思っていません。リアリストなのです。いつも「この播磨の地で、学生たち、先生たち、地域の人たちとともに実現できる」と考えていることを言葉に出しているつもりです。私はこれまでに何度も「この学生が、ここまでやり遂げるのか」と驚いてきた。夢が現実に変わった経験を味わっているのです。
兵庫大学・兵庫大学短期大学部にとって、教員養成は原点でした。1955年に遡る短期大学創設以来の歴史と伝統もあります。今回の教育学部新設は今までの集大成。しかしこれは、我々だけではできないことです。現場の先生と地域、教育委員会の協力をいただいて、ともに「いい先生」を育てていきたいと考えています。
小南兵庫大学教育学部に期待しています。ともに頑張りましょう。
- 学長座談会
- 教育

一般社団法人リベルタ学舎代表
なりわいカンパニー株式会社代表
湯川 カナゆかわ かな
リベルタ学舎では、主体的・自律的な生き方をしたい方に「個人の力」と「協働する力」を高める教育プログラムを提供。2020年5月には「なりわいカンパニー」設立。リベルタ学舎での学びを「仕事」として実践し、各々のライフビジョンを実現する場としている。

加古川市教育委員会
教育長
小南 克己こみなみ かつみ
加古川市の教育の基本理念「ともに生きるこころ豊かな人づくり」や目指すべき人間像「努力する人」「心あたたかい人」「行動する人」の実現に向け“加古川ならでは”の教育「かこがわスマート・リンク」を推進中。
子どもは一人ひとり、ココロも、カラダも、発達のしかたもいろいろ。
本学教育学部では、幼児教育・教員養成で長年培った豊富な実績を生かし、子どもの発達を“点”ではなく“線”でとらえ、一人ひとりに合わせた学びを展開できる先進的な教育スキルを修得。さらに地域との関わり合いの中で教育を展開し、子どもを“面”で支える力を身につけます。
教育学部教育学科のPBL活動
STEP1 学校園と連携した地域課題発見
本学ならではの「現場力育成」のポイント
・1年生から教育現場で体験
・3年間で150時間以上の現場経験
・教育現場の最前線で活躍する先生に直接指導を受けられる
・同じ学校で継続的に活動することで、子どもの様子や成長を間近に見ながら学べる
・現場活動の前には、大学の授業で丁寧な事前準備を行い、安心して現場に出ることができる
・現場活動の後には、大学の授業で丁寧なフィードバックを行い、教育現場で経験したことの意味を整理し、次の実習に備える
・教育実習の前に現場の実際を知ることで、戸惑いなく教育実習に参加し、実習をより実り多いものにできる
STEP2 地域の親子から学ぶ子育て支援の課題
本学ならではの「現場力育成」のポイント
・若い教員にとって、ハードルの高い保護者対応、保護者支援を学内で実践的に経験できる
・実習では期待できない保護者との関わりを十分にもてる
・実習では見ることのできない親子の関わりを観察できる
・大学教員に加えて、専属の保育者からの指導を受けられる
・教育実習の前に保育実践を経験することで、さまざまな不安を軽減した状態で実習に参加できる
・保育活動の計画から実践、省察までを複数回経験することで、実践力の向上が期待できる
STEP3 地域で学んだことを活かす教育保育実習
本学ならではの「現場力育成」のポイント
・1年生からの体験活動やインターンシップの経験を踏まえて実習に参加できる(学校生活の流れや教員の仕事内容はすでに理解できているので、より実践力向上に向けた実習が可能)
STEP4 研究活動で課題解決を目指す
本学ならではの「現場力育成」のポイント
・幅広い専門分野を持った教員がいる
・教育現場での勤務経験を持つ教員が多く、現場の実態に即した実践的な研究を行うことができる
取得可能な資格等
・幼椎園教諭一種免許状
・小学校教諭一種免許状
・特別支援学校教諭 一種免許状(知・肢・病)
・保育士資格
独自資格
困りごとや生きづらさを抱えた子どもを支援するプロフェッショナル
兵庫大学先進保育士
卒業後の進路
・幼椎園教諭
・小学校教諭
・特別支援学校教諭
・保育士
・医療保育士
・児童福祉施設職員
・学習塾講師
・大学院進学
※内容、名称は予定であり、変更する場合があります。
- 教育
地域に支えられ、時代の変化に対応しながら、つねに挑戦を続ける睦学園。大正時代に小さな塾として開設して以来、どのような時も学園を担う人々が心の拠り所としたのは「和」の精神と仏教の教えでした。現在までに大学、短期大学部、高等学校、中高一貫校と2つの幼稚園が設立され、各校園はそれぞれの教育目的に沿って充実した教育活動を行っています。
目次
- 創設・創立
- 学園訓と「和」の精神
- 学校紹介
- 100周年に向けて
- 学園沿革
- スローガン・ロゴマーク
創設・創立
(左)校祖・鶴崎規矩子刀自/(右)校主 河野厳想・校母 センヨ夫妻
睦学園の源は大正時代、鶴崎規矩子と河野厳想・センヨ夫妻にボランティア有志が加わって運営された太子日曜学校に由来します。この学校には須磨一円から300人もの子どもたちが集まりました。授業は毎日曜日、まず全員が講堂に集まり、聖徳太子尊像に向かって礼拝。鶴崎規矩子は毎回出席しました。彼女が重視していたのは「和らぎの心」であり、河野厳想によると、活動の目標は「面白い童話、楽しい唱歌、遊び等を通じて、和らぎの心や敬いの心が育つように努める」ことでした。
1923(大正12)年には独立校舎「太子館」が誕生しました。太子館は、創設時から男女、宗派も問わない多様な活動の場として用いられ、高名な僧侶や仏教学者などを招いての宗教講話の会や講演、集会などを行うための施設として機能しました。さらに昭和期になると、「報恩行」という福祉事業も行いました。これは節約して得た餅米で年末には餅つきを行い、貧しい家庭や人々に餅を配るという活動でした。
子ども対象の日曜学校だけでなく、実践教育を行う技芸女学校の運営、さらに地元の人々のための公開講座や福祉活動を展開するなど、本学園は最初期から仏教の精神を大切にしながら地域と共に歩んできました。
学園訓と「和」の精神
生徒たちの修養会
睦学園の建学の精神は、聖徳太子が十七条憲法の第一条「以和為貴(和を以て貴しと為す)」で示された「和」です。聖徳太子は「和」の実現のため、仏教の大切さを説いておられます。本学園には開設時から建学の精神の基本に仏教がありました。本学園の精神を具体的に表すことばとしては、学園訓である「感謝」「寛容」「互譲」が掲げられています。生かされていることへの「感謝」、あらゆるいのちを優しく受け入れ大切にして共に生きていく「寛容」、そして互いを思い合いながら助け合っていく「互譲」です。これらが学園の具体的な行動規範となっています。聖徳太子は自身を深く見つめられた方でもあり、十七条憲法の第十条にも「我必ずしも聖にあらず、彼必ずしも愚にあらず、共にこれ凡夫のみ」とあります。こうした自身への深い洞察は、鎌倉時代の親鸞聖人にも通じるものがあるでしょう。本学園は聖徳太子を大切にされた親鸞聖人を開祖とする浄土真宗本願寺派の宗門関係学校でもあります。親鸞聖人は聖徳太子を深く敬慕され、凡夫という概念を厳しく自分自身の問題として考えた僧でもあります。本学園の礎を築いた鶴崎氏、河野夫妻は、親鸞聖人の開かれた浄土真宗の教えに大変ご縁の深い方々でもありました。これらのご縁をいただいた本学園は、浄土真宗本願寺派関係学校が集う龍谷総合学園に加盟し、ともに建学の精神の具現化に向かって努力しています。
学校紹介
睦学園は、兵庫大学ならびに短期大学部をはじめ、中学、高等学校ならびに幼稚園を有し、それぞれにおいて特徴ある学びを展開しています。
兵庫大学
地域の中で学びを深め、ビジネス、医療、保健、福祉、教育の現場で活躍する人間力、応用力を備えた高度な専門職者の育成に取り組んでいます。
兵庫大学短期大学部
豊富な実習と実践的授業で、2年間または3年間で専門的技術、知識の修得を進め、即戦力として活躍できる保育者を育てています。
兵庫大学附属加古川幼稚園
恵まれた自然環境の中、多様な経験を通じて、健康な体と豊かな情操・感性を育んでいます。兵庫大学と連携し、幼児教育の研究にも取り組んでいます。
兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校
保育・福祉・看護を中心に、製菓・調理系(選択制)を加え、社会に貢献できる人材の育成に努めています。兵庫大学、兵庫大学短期大学部との一環教育システムも整えています。
神戸国際中学校・高等学校
学力・語学力・人間力を育み、グローバルに活躍できる女性の育成に努めています。一人一人を大切にしたきめ細やかな指導を行っています。
兵庫大学附属須磨幼稚園
英語に特化したクラスを設置し、ネイティブの先生との会話を楽しんでいます。ファミリーガーデン(第2園舎)では遊びを通じ、しなやかな心と体づくりに取り組んでいます。
100周年に向けて
2023年、睦学園は創立100周年を迎えます。
創立以来、建学の精神「和」を礎として、互いを認め、助け合い、感謝の心を大切に、誰もが尊重される地域と社会の実現を追求してきました。これまでの伝統を大切にしながら、次の100年に向け更なる発展を遂げるため、現在、学園の中長期計画「睦学園グランドデザイン2030」の策定を進めています。
「和でつながり、個を伸ばす。」をビジョンとし、幼稚園から中学校、高等学校、大学まで、各教育機関の特色を引き出しながら、互いの連携を図り、それぞれが発達段階に応じた魅力ある教育を展開できるよう、私たちは誠心誠意努力を続けています。
いかなる時代にあっても揺らぐことのない、真に必要とされる学びの場として、睦学園はこれからも教育の質を重視しながら、よりいっそう地域に愛される学園をめざして、更なる飛躍を遂げてまいります。
学園沿革 いくつもの困難をバネに学園はずっと成長し続けている
(左上)学園復興の意欲に燃えた時代のバザー
(左下)復興の願いを込めて生徒たちが須磨海岸から運んだ石。復興への願いが毛筆で描かれている
100年の時代とともに歩み続けてきた睦学園。その校舎は過去2回、甚大な被害を被りました。第二次世界大戦末期、空襲により施設のほとんどが灰燼に帰したのは1945年。1995年には阪神・淡路大震災によって大きく被災しました。しかし学園は再び不屈の精神で立ち上がり、復興を成し遂げました。奇しくも震災の年、長年の夢だった地域初の4年制大学として、兵庫大学が誕生。そして令和5(2023)年、教育学部がスタートします。
1921年(大正10年)
学園の創始
聖徳太子薨去1300年祭を記念して、「仏教の日曜学校」を始める聖徳太子の「和」の精神を大切にした情操教育を目的とし、須磨寺近くに設立された
1923年(大正12年)
学園の創立
「 太子館」を設立。太子館附属高等裁縫部(須磨睦高等技芸塾)併設全国唯一の独立校舎を持つ日曜学校となる。と同時に須磨区内最初の建物と言われ、大いに注目を集めた
1926年(大正15年)
須磨幼稚園設置
早くから幼児教育にも力を入れ、太子館附属として認可がおりた
1929年(昭和4年)
須磨睦高等技芸塾を改め、須磨睦技芸女学校設置
さらなる発展を遂げるべく、本科・専攻科・研究科を併設した女学校となった
(左)昭和17(1942)年頃の校舎/(右)兵庫女子短期大学学舎
1948年(昭和23年)
須磨ノ浦高等女学校を須磨ノ浦女子高等学校に改称、設置
終戦後に復興の道を踏み出しはじめ、この年に鉄筋2階建校舎が復旧した
1951年(昭和26年)
学制改革により法人名を学校法人睦学園に改称、設置、認可
「 和」の精神に由来する「睦」を学園の名称とした
1955年(昭和30年)
睦学園女子短期大学設置
夜間教育の「保育科第二部」の申請を文部省に提出、4月に開学
1966年(昭和41年)
短大名を兵庫女子短期大学に改称、神戸市須磨区から加古川市に移転
校地購入後急ピッチで造成・建築が進められていた加古川学舎が完成し、4月に移転した
1967年(昭和42年)
短兵庫女子短期大学附属加古川幼稚園設置
幼児期の望ましい成長発達を助長する教育機関として創設された
1991年(平成3年)
須磨ノ浦中学校を再開、校名を神戸国際中学校に改称、設置
昭和48年に休校となっていた
1994年(平成6年)
神戸国際高等学校設置
終戦後に復興の道を踏み出しはじめ、この年に鉄筋2階建校舎が復旧した
平成7(1995)年の入学試験
1995年(平成7年)
兵庫大学設置(経済情報学部経済情報学科)
「新しい教育」をコンセプトに一期生239名でスタートした
1999年(平成11年)
兵庫大学 大学院経済情報研究科設置(経済情報専攻)
大学院開学記念式典も行われた
2001年(平成13年)
兵庫大学 健康学部栄養マネジメント学科、健康システム学科開設
21世紀に入り新時代に即した教育を促進
2008年(平成20年)
兵庫大学 生涯福祉学部社会福祉学科開設
少子高齢社会に対応。研究科三学部体制となった
2013年(平成25年)
兵庫大学 生涯福祉学部こども福祉学科開設
「子どもの最善の利益」を原則とする子ども観を持った人材育成に注力
2016年(平成28年)
兵庫大学 現代ビジネス学部現代ビジネス学科開設
グローバルな視点と地域のつながりの両者を重視した学びを展開する
2017年(平成28年)
兵庫大学 看護学部看護学科開設
病院を再現した学内施設で学びながら実践力を鍛え、高い技術を持つ看護師を養成
2020年(令和2年)
兵庫大学 大学院に現代ビジネス研究科及び看護学研究科開設
本格的な長期留学生受け入れがスタート、ともに学び成長する仲間が増えた
QOL及びQOPDの向上に資する高度な看護専門職育成の場が誕生した
2023年(令和5年)
学園創立100 周年、兵庫大学に教育学部教育学科設置(予定)
「教育者を養成する力」を発揮し、さらなる発展を目指す
スローガン・ロゴマーク
和の力で、環を創る。
睦学園は、2023年に創立100周年を迎えます。本学園は、建学の精神である「和」を育む有為の人材を養成し、地域に根ざした教育機関として邁進してきました。次の100年に向け、「和」の精神を礎として全体が志をひとつにし、未来を見据えた共創の「環」へ。学生・生徒・園児への教育支援のさらなる充実と地域社会の永続的発展に貢献します。
シンボルマークに込めた意味
「1」は人を、「0」は和を表し、「和」を育む人を養成する睦学園の建学の精神を表現。その「和」がつながって無限大の「環」となり、その環を大きく広げながら未来へ上昇していく本学園の願いを込めています。ロゴカラーは、次の100年も私たちが大切にしたい人々の温もりや活気をイメージしています。
- 最新号
- その他
- 周年記念
入学部事務部長を務める瀬川明さんは、兵庫大学開学の年度に入学した経済情報学部の第1期生。卒業後は大学職員として母校に勤務し、研究支援、人事・労務、入試広報など幅広い業務に携わってきました。学生として職員として、大学の歴史とともに歩み続け、来年は100周年を迎える睦学園の「次の100年」に向けてさまざまな課題に取り組んでいます。
地元にできる4年制大学に期待した
瀬川さんは兵庫県播磨町出身。兵庫大学との出会いは、地元に新しく4年制大学ができると聞いたことでした。「当時は珍しかった『経済学と情報学の融合』というコンセプトに加え60分授業や1人1台のノートパソコンを活用する新しい学び方に魅力を感じました。また、1期生ということで、自分たちで学校を作っていけることに興味を持ちました」。
野球が好きだったので、すぐに仲間とともに硬式野球部を立ち上げました。しかし、兵庫大学は、平成7年、阪神淡路大震災の直後に新設した大学。「震災の爪痕が残る中、グラウンドには、須磨ノ浦女子高校(現在の須磨ノ浦高校)の仮設プレハブ校舎が建てられたため、練習場所の確保や練習メニューの工夫をしたことを覚えています」。部活動の他にも、学生会や大学祭実行委員会にも積極的に参加しました。「夢中で駆け抜けた4年間だった気がします」。
職員になってから地域交流を強く意識
卒業後は兵庫大学の職員となり、新人時代は研究支援や入試業務に従事しました。その後、総務課に所属。「総務課時代は、直接学生を支援するのとは異なりますが、教職員を支える働きやすい職場づくり、いい大学づくりに向けて取り組みました。組織を作って仕事を進めていくことにやりがいを感じていました」。
5年前から入学部に着任し、現在は入試広報全般に携わって学生募集広報計画や入学者選抜の策定、入学者確保に向けた戦略づくりなどを進めています。「兵庫大学の広報でも大切にしているのは、地域貢献の視点です。直近の結果を出すことは大事ですが、やはり地域の高校生のために何ができるかを忘れてはいけない。交流を通じて高校生に将来ビジョンのヒントを与えることができれば何よりです」。また、学内においては、学生さんが活躍しやすい環境を整えること、学生さんを社会や人とつなげることが、教職員の役目だと語ります。将来的には大学、各学校、幼稚園などとの連携を深め、大学だけでなく睦学園全体を盛り上げる役目を務めていきたいと考えています。
優しさと熱心さが兵庫大学の魅力
学園創立100周年となる2023年を目前に控えての重要ミッションは、節目の年に開設される教育学部の広報を学園内外に広く展開することで、学園全体を盛り上げること。新学部は小学校教員の養成も行う学部なので、今までとは異なる競合大学を意識せざるを得ません。「競合となる大学は女子大が多いですから、本学が男女共学であることは一つのアピールポイントになると考えます。さらに、本学の特色である『個に寄り添った教育』を広報活動でもアピールしたいと思います」。
瀬川さんの高いモチベーションを支えているのは、母校の「人」に寄せる信頼。「兵庫大学では学生も教職員も、みんな優しく、熱い気持ちを持っています。周囲の人々に刺激されながら、私もいつも前向きに動いていたいと思っています」。
- 卒業生
- 教育

瀬川 明 さん
経済情報学部経済情報学科を1999年3月卒業。同年4月より兵庫大学に事務職員として就職。総務課などを経て、現在は入学部事務部長。
今年、創立96周年を迎えた兵庫大学附属須磨幼稚園。4月から須磨幼稚園の園長に就任した澤田洋子さんは、長い歴史と伝統をもつ本幼稚園の運営を任されたことに喜びと責任を感じながら、先人たちの知恵と経験を受け継ぎ、現代の幼児教育へのニーズにも柔軟に対応した新しい学びの環境を整えようと全力で取り組んでいます。
判断力が問われる毎日
今春から園長となった澤田さんが、日々の業務の中で実感するのは、組織のトップに立つ者として、つねに的確な判断が求められること。「焦らず、一つひとつのことを熟慮して、その場に応じた判断を下していかねばなりません」。その基本となるのは、保護者、子どもたちの立場に立って考えること。丁寧に意見を聞きとりながら園を運営していくことだと続けます。
須磨幼稚園は、睦学園の掲げる「和」の精神をモットーとしています。「この仏教の精神は、とても大切なことだと私は思います。一人ではできなくても、大勢の力が集まれば成し遂げられることは多い。物事は皆で力を合わせるから成就するのだと、日頃から先生にも子どもたちにも伝えるようにしています」。
子どもたちだけでなく、園に勤務する先生たちを大切にすることも園長の役目。「子どもたちを大らかに支えられるよう、先生にはユーモアと諦めない気持ち、それと情熱を持ち続けてほしい。先生の心と体がいつも元気であることが大切だと思っています。また、いったん相手の視点に立って他者の気持ちを大切に考えながらお話を進めてほしいともお願いしています」。さらに、若い先生の味方になることも重要だと強調しました。
経験豊かな先生に指導を受けた短大時代
元来子ども好きだった澤田さんの「幼稚園の先生になりたい」という憧れは、短大時代に現場経験豊かな先生方からさまざまな話を聞くうちに、ますます強くなりました。部活動では童話クラブに半年間所属。「楽しい思い出はいろいろありますが、人形劇の演じ方などを学べたことは、現場に出てから大いに役立ちました」。卒業後は、兵庫大学附属幼稚園に着任しました。「当時の園長のもとで、幼児教育のあり方を実践的に学べたことに大変感謝しています。公立の幼稚園での体験談を聞かせていただいたことも勉強になりました」。
よりよき教育者をめざし学び続ける
就職して10年目に転機が訪れました。クラス担任と同時に主任を務めるようになったことで、もっと深く専門的に学びたいという思いが募ってきたのです。そこで兵庫大学に再び通い、それまでの幼稚園教諭二種免許状に加えて一種免許状を取得。さらに、大学院修士課程を修了し、専修免許状も取得しました。「資格を取り、現場に出て経験を積み、再び学び直すことで専門的な知識が得られました。就職してからも学ぶ機会がもてたのは、幼稚園のサポートのおかげです。周囲の先生方にも、就職後も積極的に学んでほしいと伝えています。」
園長になった今も、新しい知識を貪欲に吸収していきたいという澤田さん。学んだことを今後の園の運営に生かし、ご家庭からの信頼を維持できる保育者であり続けたいと望んでいます。
- 卒業生
- 教育

澤田 洋子 さん
兵庫女子短期大学 保育科を1985年3月に卒業後、同年4月より兵庫大学附属須磨幼稚園に勤務。クラス担任、主任などを経て2022年4月より同園の園長に就任。
特別強化指定クラブ 女子バレーボール部
学園創立100年まであと1年。時代が変われば、若者たちの夢の形も変化していきます。しかし、精一杯がんばって自分の夢を実現したいという思いは昔も今も同じ。それぞれの専門分野で学びながら、未来への次の一歩を探している学生たちに「将来の夢」を描いてもらいました。一つひとつの言葉が、明るい希望にあふれています。
学園創立100年に寄せて 在学生メッセージ
保健室の先生になりたい。
教員採用試験、頑張ります!

田渕 精菜
健康科学部健康システム学科 4年生
(姫路市立琴丘高等学校出身)
子どもミュージカルを
企画したい!

弘田 彩乃
生涯福祉学部こども福祉学科 2年生
(高知県立中村高等学校出身)
めざせ、
虐待のない世界。

高田 涼
生涯福祉学部社会福祉学科 2年生
(兵庫県立日高高等学校出身)
ボブスレー日本代表として
次期冬季五輪に向け練習中。

板東 夢斗
健康科学部健康システム学科 4年生
(福井県立敦賀高等学校出身)
入院中の子どもたちに
癒やしをあげたい。

尾畑 友香
生涯福祉学部こども福祉学科 3年生
(兵庫・兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校出身)
めざすのは、いつも本気で
人と向き合える公務員。

新保 健介
現代ビジネス学部現代ビジネス学科 2年生
(兵庫県立明石西高等学校出身)
「公民」「商業」の本当の面白さを
伝えられるといいな。

田中 結心
現代ビジネス学部現代ビジネス学科 2年生
(兵庫県立三木東高等学校出身)
入大好きな漢字は
「楽」と「夢」。

永瀬 恋雪
短期大学部保育科第三部 3年生
(兵庫県立福崎高等学校出身)
実習で「おねえちゃん先生、
大好き!」と言われ、嬉しかった。

藤原 佑花
短期大学部保育科第一部 2年生
(兵庫・兵庫大学附属須磨ノ浦高等学校出身)
農業、地域、自然から
子どもの食育を考えていく。

矢野 誠人
健康科学部栄養マネジメント学科 4年生
(兵庫県立農業高等学校出身)
ハンディキャップがある人に
体を動かす楽しみを!

石田 夢和
生涯福祉学部社会福祉学科 2年生
(兵庫県立神戸北高等学校出身)
看護師・保健師養護教諭、
3つの資格・免許を取得する!

江角 優花
看護学部看護学科 3年
(島根県立大社高等学校出身)
目指すはドクターヘリに乗って
人命を救う「フライトナース」!

神内 萌
看護学部看護学科 4年生
(兵庫県立須磨友が丘高等学校出身)
管理栄養士になって、病院の
食事をよりおいしくする。

長谷川 冬香
健康科学部栄養マネジメント学科 3年生
(兵庫県立播磨南高等学校出身)
社会福祉学科国家試験対策室
社会福祉学科では、社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験合格を一つの目標として受験勉強に専念できる環境を整えています。その拠点となるのが13号館106教室の「国家試験対策室」。テキスト、過去の試験問題、参考文献などが揃った自習室です。国家試験受験者対象の多彩な特別講義もここで開講されます。
ここにくれば、集中して勉強できる
国家試験対策室は「勉強する・調べる・問題を解く」を一つの部屋で行える場所。テキストなど必要と思われる文献が揃っている上、過去問題などを印刷して何度も挑戦できるよう、プリンターも設置されています。「テキストなどは学生によって使いやすいものが違うので、比較して勉強できるように多種類揃えています」と朝比奈寛正講師。
ソーシャルワーカーをめざす中村椋太さん(社会福祉学科4年生)は「国家試験対策室は広すぎないので、集中力が高まります。対策室にはパソコンもあり、wi-fiが整っているのでインターネットで調べ物もできます」
友人と支え合って学べる
現在、中村さんが利用するのは週4日程度。
中村友達と誘い合わせて一緒に勉強します。仲間がいると安心するので、午後にしか授業がない日も、9時にはここに来ます。
朝比奈我々教員は学生同士、互いに支え合ってほしいと考えています。人によって得意、不得意な分野があるから、友人とともに勉強するのは大変有効な方法です。
対策室には黙々と勉強する学生もいれば、和やかに歓談しながら勉強する学生の姿もあります。現在はコロナ禍の影響で学生間の交流機会が減っているので、感染対策をとりながら学生が集える場所は貴重だといえるでしょう。
中村ここは行きたい時に行ける場所。先生がいつもいるわけではなく、対策室の利用法は、学生の自主性に任されています。会話禁止でない点も、協力して勉強できるから気に入っています。
多面的なサポートで合格率も上昇
「試験勉強における教員の役割は、解き方を教えることではなく、勉強しやすい学習環境を整えること」と考える朝比奈講師。個別のサポートも心がけ、試験のプレッシャーでつらそうな学生にはタイミングを考えて声かけをします。
朝比奈今、学生がどんな様子かをしっかり見ることが大切だと思っています
学生が対策室を本格的に利用するのは、3年生の冬から試験本番の4年生の2月頃まで。4、5月には、例年ここで最初の特別講義を行います。その後、時期に合わせてタイムリーな内容の特別講義を開講します。(*特別講義はコロナ対策により、リモート開催の場合があります) 社会福祉学科では、現場での実習、ゼミでの卒論執筆に加えて国家試験対策室での受験勉強という学びの3本柱による相乗効果をめざしています。それまで空き教室などを利用して行われていた「試験対策」が、現在の教室に固定したのは7年前。以来、国家試験の合格率が着実に上がり続けています。
朝比奈しっかりした環境整備が、大きな効果を上げているのだと思います。
- 講師紹介
- 生徒紹介
- 学生
- 国試対策

朝比奈 寛正 講師
生涯福祉学部社会福祉学科
専門:メンタルヘルス、アディクション

中村 椋太
生涯福祉学部社会福祉学科4年生
(兵庫県立明石清水高等学校出身)
特別強化指定クラブ 女子バレーボール部
女子バレーボール部は、2021年度関西大学バレーボール連盟秋季リーグ3部で1位という好成績をマークし、上位リーグへの昇格をうかがう成長中のチーム。昨年度から特別強化指定クラブとなったため、部員たちはスポーツに学業に、以前にも増してモチベーションを高め挑戦し続けています。
今年度の目標は上位リーグでの活躍
女子バレーボール部の部員数は、現在4年生が1名、3年生が5名、2年生が5名、1年生が8名の合計19名。昨年度から特別強化クラブ指定となり、今年度は兵庫大学でバレーボールに打ち込みたいという新入生がぐんと増えています。昨年は、春季リーグの試合は開催されず、秋季から試合再開。リーグ戦、関西インカレなどが開催されました。キャプテンの長井美月さんは、2022年の目標を「まず、春季リーグで3部を突破し、秋季は2部での優勝を目指す。そのまま波に乗り、来年は1部昇格を狙っています」と語ってくれました。
学年の枠を超えて助け合う仲間
今春入学した芝田楓さんは、「女子バレー部は選手みんなで考え、みんなでプレーするのが特徴。意見を出すのに学年は関係なく、1年生でもどんどん意見を出せるし、いい内容なら採り入れてもらえます」と上下関係のないチームの魅力を実感しています。
コートでプレーするだけでなく、コート外でリサーチし、戦術を考え、動きのプランをまとめ上げるのもバレー部員たちの仕事。長井さんが「コート外の学生もバレー部の仲間。みんな一緒に試合をしています」と言う通り、対戦相手の情報集めや過去の試合のデータ分析なども、学生たちが役割分担して行います。
個人としての今年の目標を聞くと、「キャプテンとして責任を感じています。特別強化チームに指定され、大切にしていただくのだから、大学をあげて応援してもらえるようなチームをめざします」と長井さん。一方、芝田さんは「1年生らしく元気があって、かつ安定したプレーが目標です」と目を輝かせました。
卒業後のことも考えながらスポーツに打ち込める
チームを指導する監督は、本学の学生支援課の職員でもあり「、親身になってくれる、熱い方」と長井さん。学生支援課は学生生活全般を支援する部署ですが、就職サポートも含んでいるため、部員たちには「進路についても相談しやすい」と好評です。
学生にとって部活動と学業との両立は重要な課題。二人は、日頃の勉強を部活動に生かしています。健康システム学科の長井さんは「体づくりについて専門的に学んでいます。トレーニングの方法を学ぶと、今の自分に足りないところを客観的に理解できます」。栄養マネジメント学科の芝田さんは「トレーニングを効率よく行うため、栄養管理をもっと理解したいです」と答えてくれました。スポーツと学びに取り組み、今を大切に生きる部員たち。将来の進路も自然に意識することができる恵まれた環境の中、女子バレーボール部の学生たちは未来に向かって前に進んでいます。
兵庫大学女子バレーボール部Instagram:hyogouv_volley
- 生徒紹介
- 学生
- 部活

芝田 楓
健康科学部栄養マネジメント学科1年生
(兵庫・姫路女学院高等学校出身)

長井 美月
健康科学部健康システム学科3年生
(徳島県立富岡東高等学校出身)
管理栄養士の資格を持つ吉田麻紀さん。本学を卒業した後、福祉施設で知的障害者や自閉スペクトラム症者とともに働く道を選びました。就職先は、国産大豆を使った手作り納豆の製造、販売に取り組む高砂市内の多機能型事業所。一般的な就労が難しいホーム利用者さんたちとともに、栄養学の知識を生かして活動を続けています。
栄養士×福祉に、新しい可能性を感じた
吉田さんは在学中、将来の進路として小学校の栄養教諭や保育園での食育指導などを考えていました。しかし、学科の先生からの紹介を受け、福祉施設への就職を決断。「利用者さんと一緒に納豆の製造、販売を行っている事業所で、さらに本格的な工房を設置して販路拡大や商品開発をめざしており、そのために栄養学の専門家を求めていると聞いたからです」。新しい可能性のある仕事だと直感し、実際に施設も見学したうえで、「ここで頑張ってみよう」と気持ちを固めました。
障害がある人と、心の距離を近づける
就職した当初は、職場にはすぐ馴染めるだろうと考えていました。「福祉系の学科の出身ではないけれど、大学ではボランティアサークルで障害のある人と一緒に活動する経験もしてきました。だから問題はないだろうと思ったのです」。しかし、1年目はやはり大変でした。「施設利用者さんからなかなか信頼してもらえず、やっていけるかなと難しさを感じました」。職場の先輩のように上手にコミュニケーションできないという悩みを抱えました。
そんな中でも焦らず、利用者のことを理解しようと努めた吉田さん。先輩からのサポートも受けながら働くうちに、互いの心理的距離が近づいていきました。「作業終了時の報告などを、先輩職員さんでなく、直接私のところまで言いにきてくれるなど、少しずつ打ち解けてくれるようになった。うれしかったですね」。
納豆の販売を増やし、みんなを笑顔にしたい
昨年は納豆製造専用の施設「納豆工房なっとこちゃん」がオープン。地元スーパーマーケットのほか、給食会社、他の障害者施設などに販売しています。「以前の3倍、1日に1000カップの納豆が出荷できるようになって、とても多忙な毎日です」。
将来の夢は、「新商品の開発をもっと進め、販路を拡大すること。もっとうちの納豆を食べてもらうこと」。納豆の販売量が増えれば、施設利用者さんへの経済的還元が増えるとあって、力が入ります。納豆づくりの仕事自体も楽しいけれど、利用者さんの表情がいきいきと輝く様子を見るのが何よりうれしいそうです。
振り返って感じる大学時代の大切さ
吉田さんは、働き始めてから大学での学びの大切さがわかるようになったと語ります。「学生時代を振り返ると、食や栄養に関することをしっかり勉強させてもらったのだと感じます。当時の教科書や、先生から推薦された専門書は今でも使っていますが、『この本があってよかった!』と思うことは多いです」。
後輩へのメッセージを聞くと、「学生時代は思い切り楽しんで、自分にプラスになることをどんどんやってください。社会人になると忙しいですよ」。時間がある学生時代には、どんなことにもチャレンジしてほしいと締めくくりました。
- 卒業生
- 栄養士
- 福祉
- 健康

吉田 麻紀 さん
兵庫大学健康科学部栄養マネジメント学科を2019年3月に卒業後、同年4月より社会福祉法人あかりの家 ワークホーム高砂に勤務。納豆工房「なっとこちゃん」所属
現代ビジネス学科 留学1期生の挑戦
2020年春、現代ビジネス学部では本格的な長期留学生の受け入れをスタートし、海外からの留学生が入学しました。日本での学びのスタートを切った学生たちは、新型コロナウィルスの影響が大きかったこの1年で、どんなことを経験したのでしょうか。入学のきっかけ、本学での学びの魅力、将来の夢など、学生生活について聞きました。
日本への留学のきっかけを教えてください。
王 梓(以下、王)以前から日本文化に興味があり、日本で日本語を学んできましたが、ぜひ大学で勉強したいと思いました。兵庫大学を選んだのは、私の日本語の先生が、本格的に学ぶならば兵庫大学がいいと推薦してくれたからです。
デシ クリスティナ(以下、デシ)私のもともとの興味はビジネスです。グローバルに活躍する日本企業に興味をもったことが、日本でビジネスを学ぼうと思ったきっかけです。ビジネスについて学ぶうちに、日本の文化にも関心をもつようになりました。
榎木 浩学科長(以下、榎木)現在、現代ビジネス学科では、中国、インドネシア以外にベトナムやネパールからの留学生合計19名が、日本人学生と肩を並べて学んでいます。アジアの国際交流が自然に行われ、活気あふれる学習の場になっています。
現代ビジネス学科の学びの魅力は?
王学習する内容が、とても実践的だということです。例えば、イベント企画の勉強をする際には、「現代ビジネス学科の学びをPRする」というとても身近な課題が与えられました。
デシビジネスコンペに積極的に参加できるので、実力を磨くチャンスが多いですね。チームでのコンペ出場を通じて、仲間とのコミュニケーション力も伸びているように思います。
榎木実践的なチームプロジェクトに1年目から関わっていくことで、学生たちの実力を高めようと考えています。留学生にとっては、日本人の学生と一緒にチャレンジすることになるので、学生たちは協働でプロジェクトを進める力がぐっと向上しましたね。
日本人学生との交流について。
王友人とは授業や日常生活について、日本語で話します。互いの国の文化の違いがわかるので楽しいですね。
デシ日本語で同級生と話すのは難しいですが、とても楽しい経験です。私は一緒に学ぶ仲間との交流を深めたかったので、兵庫大学の留学生交流会を立ち上げました。これからは、留学生と日本人学生が仲良くなるチャンスをもっと作りたいです。
榎木コロナ禍という大変な状況ですが、留学生、日本人学生間の交流機会をできるだけ設定し、どんな時にも学生たちが孤立しないよう、仕掛けづくりを続けていくつもりです。
将来の夢を聞かせてください。
デシ卒業後は日本で就職をして、ビジネスの経験を積むとともに、日本との関係を深めていきたいですね。その後、故郷のバリ島で起業するのが夢です。バリ島の自然や文化を生かした観光関連のビジネスを始めたいと考えています。
王貿易関係の仕事に就きたいと思っています。日中間で需要の高い生活用品や化粧品、土産物などの輸出入に関わりたいですね。
榎木留学生はいつも本当に頑張っています。この努力は、日本人学生にも大きな刺激になり、キャンパス全体が活気づいていくように感じます。留学生たちの今の努力は、将来大きく実を結ぶものと期待しています。
- 生徒紹介
- 学生
- 地域創生
- 留学
- 世界

榎木 浩
現代ビジネス学部
現代ビジネス学科
学科長 教授
【専門】情報工学
(情報システム、ソフトウエア工学)

デシ クリスティナ
現代ビジネス学部
現代ビジネス学科2年生
インドネシア・バリ島出身

王 梓(オウ シ)
現代ビジネス学部
現代ビジネス学科2年生
中国・遼寧省出身